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by chihoharada
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手紙

美しい文字の手紙が届いた。
「誰だろう?」裏を返して差出名を見て驚いた。
古筆学者であり美術史家として著名な小松茂美先生からのお手紙だ。
先日出版した「空印寺旧蔵十六羅漢尊像図」の著者中嶋利栄さんは
小松先生の研究をこの上もなく尊重していた。
なんとか中嶋さんの本を小松先生に届ける方法はないものかと
考えた挙げ句、先生とは面識の無い私は今月4日に文芸春秋社気付けで
手紙を添えて本を送付した。
しかし、なんとか先生のお手許にという気持ちで送ってはみたが、
直接ではなく何ら関係の無い出版社を迂回するわけで
正直いって半分は期待していなかった。
ところが発送から5日目という速さで直筆のお手紙が届いたのだ。
ドキドキしながら封を切ると和紙の便箋に流れるような草書で
美しい装丁の本を送ってもらったことへのお礼と中嶋さんが研究半ばで
本の完成を見なかったことは心が悼むと書かれた後に
感想などがとても丁寧な文で便箋3枚に綴られていた。
私の拙い手紙を読んでくださり、
本の装丁に至るまで心を砕いて下さる先生の肌理の細かい温かさが、
言いようの無い嬉しさとなって体の隅々まで響き渡った。
衒い(てらい)のない打てば響くような心の対応は、
真の大人物の証ではないだろうか。
また、正確に小松先生に郵便物をお渡しくださった
文芸春秋社の誠意ある対応に感謝の気持ちで一杯だ。

小松茂美著に1976年出版の「手紙の歴史」という本があるが、
その中の冒頭にこのようなことが書かれている。
『平安後期においては手紙の模範文例集が貴族子弟の初等用教科書として出現した。
それが鎌倉・室町と尾を引き、江戸時代に入ると、もっぱら手紙の文例が読み書きの
対象となった。すべての古いものが忘れ去られる現代社会の実情だが美しい文字で
綴られた心のこもった手紙はやはり読むものの心を豊かにしてくれる。』
正に平安時代から伝わる手紙の本髄を小松先生は奥深いところで理解されて教えを
説いておられるのだ。
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Commented by 高橋洋一 at 2017-05-22 16:29 x
中嶋利栄さんがどのような方だったかを調べていてこのブログに至りました。古美術愛好家としか分りません、略歴などお分かりでしたら、お知らせください。宜しくお願い致します。
y-takahashi@wine.plala.or.jp
Commented by chihoharada at 2017-10-07 16:19
お返事が遅れまして大変失礼いたしました。
メールを差し上げましたのでよろしくお願いいたします。
by chihoharada | 2009-06-10 01:02 | Comments(2)